真面目にリモートワークしてみた

3週間ぐらい前に書いたときは、お試し感が強かったものの、今や東京都知事の「平日はできるだけ家で仕事を行って」という強烈な後押し。まだ不確定な部分があるものの、今後しばらくはリモートワーク(テレワークという表現は嫌いなので、リモートワークと呼びます)が続くことになりそう。ということで、改めてリモートワークで感じたことなどを書いておこうかと。ちなみに自分の業種としては、IT業界の端っこの方です。

超快適・・・までは行かない?

正直なところ、Remote, works、つまりリモートワークでも仕事は回せるよね。なんだけどNot everything fine、細かい部分でまだ工夫が必要かなというのがこの記事を書いている時点での印象。ただ、リモートワークをするためのツール群については、大分充実してきており、どちらかというと使う側の人の問題のような気がしている。ひとまず、気になったポイントをいくつか書き出してみよう。

ツールは充実。人は・・・?

弊社でも、これまで会社の会議室で行われていた会議が、順次Microsoft Teamsに置き換わっていて、実際にいくつかの会議に参加してみた。プレゼンターが画面を共有して、それに関して参加者が発言して、、、ま、普通に出来るよね。これまでもやってたし。議事録の代わりに会議を録音するのもTeamsなら簡単。めでたしめでたし。。。?

こうした会議に参加していて、漠然とした違和感に襲われたのも事実。例えば、会議の中でこんな流れになることがあった。

その1
主催者「今日の会議で使った資料は、後ほど皆様にメールで送付させていただきます」

Teamsを使ったことがある人なら、ピンとくると思うんだけど、そもそもファイル共有の仕組みがあるのだから、ファイルはあらかじめTeams内に置いたものを会議依頼の中にリンクを付けて送ってしまえば良い。なにかアップデートがあっても、リンクをたどれば常に最新のファイルにアクセスできる。でも、メールの添付ファイルでばら撒いた瞬間に「どれが最新だっけ?」問題が発生したり、各自が好きに編集したものが、さらに添付ファイルの末尾に「_xx追記」とかついたバージョンが乱立して、マージする人大変じゃない?

その2
主催者「お客様に送付する文言を考えましょう。(話し合った後)○○さんのコメントが良い感じだったので、○○さん叩き台を作ってメールで皆さんに送って下さい。後で皆さんにレビューしてもらいましょう」

これも同じで、画面で共有しながらその場で編集しちゃえば良くない?Teamsってそういうツールだよね?

ツールを使う人次第なわけで

上の問題って、対面ミーティングでも同じような状況はよく見かける光景なので、リモートワークに限ったことではないのでは?というツッコミはあると思う。ただ私見ではあるものの、この点はリモートワークだとなおさら非効率に感じる。同じインフラ(この例ではTeams)を使う人たちの中で、このケースはどの機能を使うか、という合意が形成されていないと、結局一番リテラシーの低い人または声のでかいオジサン(失礼)に合わせることになってしまう。

これ以上書くと愚痴が止まらなくなるので(笑)、リモートワークに絞って言うと、リモートワーク自体は比較的自由に時間が使える一方、他のメンバーとコミュニケーションを取る時間は貴重なわけで、つながっている(つまりオンライン)間に、フィードバックをしながら/受けながら決められるモノは決めてしまって宿題を作らないようにしたいところ。

・・・という考えを協業している人が、同じように持っていないと、ストレスは溜まる一方かと。

つまり、一緒に仕事をする人たちの間で、共通認識、もう少し平たく言うとリテラシーのレベルがある程度揃っているのがリモートワークを成立させる上での前提の1つになりそう。

見ず知らずの人とリモートでつながる?

上で書いたのは、どちらかというと社内の話になるんだけど、社外のお客様や協業者とリモートでつながる場合はどうなんだろう?というところで、もう少し掘り下げてみたい。

有名人だからできる?

自分の場合、社内業務については、あっさりとリモートワークに移行できたものの、社外との協業については、遠慮がちな性格故に最後までリモートに踏み切れなかった。とは言え、面倒を見ているシステムにはリモートデスクトップでアクセスできるし、成果物も同じくファイル共有サイトにあるので、仮にリモートになっても、全く困らないなと思いつつしばらく通っていた訳です。

とは言え、できるものならリモートに移行したいということで、まず試しに週1日をリモートにさせてくれませんか?と打診してみたところ、あっさりとOKが。代わりに普段より多めに情報発信をして実績を積み上げ、最終的に完全リモートにも承諾いただく事に成功。

ただ、あっさりと移行できたのは、変な言い方だけど、協業先では「有名人」だったからというのが大きい。完全アウェイの地に乗り込み、協業先では誰も持っていない専門性を使う立場にあって、いろいろな人に顔を覚えて貰えたからこそ、リモートになっても、この人なら顔が見えるよねということであっさりOKして貰えたわけで。

一方で、そのような顔を覚えてもらう機会なく、最初からリモートでお願いします!というのは相当ハードルが高いと思う。仮に出来たとしても、それは既に何かしらの分野で高名で、その専門性がどうしても必要だったりするなどの前提があるはず。専門性が希少だったりして、どうしてもと先方からアタマを下げていただけるような立場だったとしても、少なくとも面談ぐらいはするでしょ?(その面談がビデオ会議になる場合はあるかも知れないけど)

そうじゃない人は?

例えばSIerの人月商売で現地に送り込まれている人とかの場合、専門性があってもなかなか出しづらい環境なので、リモートに切り替えさせてもらうのは難しいかも。でも言葉は悪いけど、そういう立場だからこそ、自分の身は自分で守らないと行けないと思う。技術的な代替案があって、リモートで仕事が出来ることがはっきりしているなら、思い切ってリモートへの切り替えを申し出て見るのも手では?それで実践できれば良い先鞭を付けられるわけだし。

そんなことできるかい!とか、コロナが心配みたいな言い訳が通用するわけないじゃん!って、思うかも知れないけど、それでダメだと言われちゃうなら、自分の価値が、他といくらでも代替が利く程度しかないか、そもそも雇っている会社がクソかのどちらか。

・・・次を考える時なのでは?若いならなおさら。

話題が逸れてしまったので、この程度にしておきましょう。

一緒にリモートワークする人とは、やはり面識があって相互信頼関係を築けているというのは、リモートワークが成立する前提の1つになりそう。

結局人とのつながり

こうして気づいた事を書き出してみて、働き方がリモートワークに変わっても、結局1人だけでは仕事は成立しないわけで、成否は社内外に限らず一緒に仕事をする人との関係性が成り立っていてこそ何だなというのが実感。他の人との関係性を考えた時に、もうちょっとだけ思い残したことがあるので書いておく。

コミュニケーションツール

協業ツールの事は、だいぶ書いちゃったような気がするけど、最後に言っておきたいのは、少なくとも内部でのコミュニケーションに限ると、メールはリモートワークとの相性がイマイチだと思う。チャットでもSlackでも何でも良いから、肩肘張らずにやりとりした履歴が文字でみんなに可視化出来た方が良いはず。あと時間を決めて会議する場合は、音声と画面共有だけじゃなくて、ビデオ会議にした方が絶対に良いと思うんだよね。

ひとりじゃないって

アウトプットをバンバン出して存在アピールが出来る人は良いけど、そうも行かない人も一定数いるはず。リモートワークになると、実力がない人が可視化されるという冷たい物言いもあるけど、やはりメンバー全体に目配りをして、声を掛けたりしてフォローできる人がいると良いと思う。そうしないと孤立しちゃう人が出てくるような気がする。定期的に上司がビデオ会議で1 on 1するのでも良いし、Slackでお馬鹿なことを呟いても良いことにして、ふっと息抜きできる環境を作って上げるのとかでも良いと思う。

相変わらずまとまりないけど、リモートワークをしてみて思ったことは一通り書き出せたかな。

おまけ

前回も載せましたが、この時期だけに改めて読むと感じるところがあると思います。(最後の方のツールの紹介はさすがに古いけど)