上昇志向のないオジさんがベンチャーに転職する話 その8 - 最後の日

キャリア的上昇指向のないオジさんが、何故かこの年齢で外資ベンチャーに転職した顛末を書いたこのシリーズも気がつけば第8弾。

この記事の続きです。
deutschina.hatenablog.com

<目次>

決断を下した後

前の記事に書いたとおり、新しい会社への移籍を決断して承諾書にサインをした。瞬間やっちまったかなと頭をよぎったものの、今更後には戻れないので前に進むだけだ。決めた以上有休消化のスケジュールを好きなように入れたかったのだが、この時点で未消化の有給が30日以上。他国で同じく移籍するメンバーは、新しい会社に未消化の有給休暇を持ち越すという素敵な特典があったのに対し、日本にはそのような制度がなく(会社が違うから当たり前だけど)、かといって仕事が残っており、今日から休みますとも言えず、辛うじて最後の一週間をオフにするのが精一杯だった。

最後の仕事

その有休消化に入る前、最後の仕事がやってきた。最後の仕事と言っても、新しい会社に持っていく仕事と今の会社に置いていく方の仕事があり、これは後者の方。この仕事の準備をしながら、これで最後かという感慨とは別に、この仕事こんなに楽しかったっけ?という変な感情に襲われた。なんとなく自分のイメージした方向に形が出来上がって、実際の本番でもやりたいことが出し切れたようなそんな感覚だったのだ。仕事に閉塞感を覚えていたけど、それって自分でつまらなくしていた部分もあるなぁと今更ながらに気がついたのかもしれない。

コロナ禍よ。。。

そんなやりきった感の中、最後の休暇に入ったのだが、この時期何を隠そうコロナの緊急事態宣言のまっただ中。本当はこの休暇に入るタイミングで緊急事態宣言が終わるはずだったのが再延長になったのだ。どこか遠くに出かけるという望みは叶うこともなく、会社のPCの電源を完全にオフにして、かといって人と気軽に会える状態でもないので、オンライン英会話で仕事の愚痴を聞いてもらうという香ばしい数日間を過ごすことに。本当は、実家に帰って海でも眺めたかったんだけどね。(注:実家から海は見えない)

とはいえ、自宅缶詰はあまりに切ないので、休暇最終日に外出して気分転換に買い物をすることに。自分へのご褒美的に、M1 Macbook Proを買ってみた。(その数週間後にM1 Proが出るとも知らずに。。。)

最終日もリモートで淡々と

最後の一週間をオフにと書いたが、実は最終日(=退職日)がちょうど週明けだったこともあり、出勤扱いとしていた。といっても、リモートワークの最中なので、物理的に出勤することはなく、これまでの専門領域についての簡単な引き継ぎをやったり、新しい会社での事務手続きやPCのセットアップだったりとまったりとした中、一日が終わっていった。

この話が出てくる前に、一度だけ転職直前まで行ったことがあって、その時に自分が会社を辞めるときの退職の挨拶だとか壮行会だとか、通過儀礼的なモノが得意でないというか、(人望がない自分にとって)正直苦痛だなと思っていたのだが、幸か不幸かコロナ禍のためにそういった行事もなく、静かに某社での24年半最後の日が暮れていった。

<つづく?>