在宅勤務の落とし穴

個人的に在宅勤務は快適そのものなんだけど、ちょっとした落とし穴があったよという話。

 

<目次>

 

ネットに繋がらない

仕事を終え、夕飯を食べてまったりしていた午後9時過ぎのこと。

 

・・・ん?ネットに繋がらない。

 

スマホを弄っていたのだが、どこのサイトにも繋がらない。我が家のネットはマンションが一括契約しているもので、毎月の管理費に含まれている。爆速とまではいかないが、比較的安定した回線。過去に一時的に繋がらない現象が発生したことはあるが、(2.4GHzのネットワークを使っていたときに)近所の家のWiFiとチャンネルが一時的に競合したとか、ルーターが反応しなくなったとか、端的に言うとルーターの再起動をすれば直るようなケースがほとんどで、トラブった記憶がない。

 

ということで、今回もルータの再起動しとくか、てな感じで一回電源を切ってから再び電源オン。数分まってスマホを見たのだが、

 

・・・あれ?繋がらないじゃん

 

なんだか様子がおかしい。ルーターは5月の末に交換したばかり。ルーターを見るとINTERNETというランプが消灯したまま(*)。ルータの管理画面を見ても、インターネットに接続できないというエラーが出ている。我が家のネット配線は、マンションの共用部からのLANケーブルを直接ルーターに繋いでいるので、これ以上は家の外側での問題ということになる。しばらく待っても回復の兆しがないので、仕方なくこの日の復旧は諦め早めに休むことにした。

 

* 復旧後確認したところ、我が家の機器構成では常にINTERNETランプは消灯したままであることが判明

 

流石にもう回復しているだろう

空けて翌朝。この日は平日なので仕事があるが、流石に一晩経てば復旧しているだろうと楽観していた。ところが、朝起きてスマホを取り出したところ繋がらず。となると、マンション共用部のネットワーク機器が逝ったのでは?という疑念が持ち上がる。だとすると復旧に時間がかかるかもしれないなぁと嫌な予感がする。その場合は、会社のモバイルWiFiでしのぐ必要があるが、容量に上限があるので繋ぎっぱなしだと数日しか持ちこたえられない。

 

マンション共用部の機器構成は知らないが、この障害が我が家だけなのか、他の住戸にも発生しているのかも分からない。仮に前者だと、自分から声を上げないと復旧できない可能性が高い。ひとまずマンションの管理員さんが出勤してきた頃合いを見て相談してみるか?でも、どう考えてもITに詳しい感じではない。申し訳ないが、彼がまごつく姿しか想像できない。

 

普通であれば、ネットワーク会社に問い合わせるべきなのだが、うちの場合はインターネット接続はマンション一括契約なので、自分自身が契約を持っているわけではない。一括契約専用の窓口のようなものがあるかもしれないが、それについては情報はない。ただ、つい先日まで、マンションの管理組合の理事をやっていたので、ネットワーク事業者はどこであるかは知っていた。ITの分からない管理員さんに伝えるより、サポートセンターに連絡した方が良いかなと思いはじめて、ネットでそれらしきコールセンターの電話番号を調べ、コールセンターが開く午前9時に問い合わせることにした。

 

頼るべきはサポートセンターではなく...

午前9時。さっそくコールセンターに電話をかけるが、回線が混み合っていますのアナウンスとともに全くつながらない。何回繰り返してもダメだ。マンションの管理室に駆け込むしかないかなと思った矢先、マンションの管理会社のコールセンターがあることを思い出した。

 

ネット接続料金は管理費に含まれているので、管理会社に問い合わせるのは悪手ではない。しかも、コールセンターは24時間365日対応(夜間は停電、断水などの緊急対応のみ)とのこと。ネットにつながらないのが緊急対応に相当するかは微妙なラインだが、緊急対応のみの時間外が過ぎた午前9時を回っていたので問い合わせてみることに。

 

こちらは、一発でつながった。事情を話してみる。

 

自分「東京都○×区の△△マンションに住んでいる者なのですが、昨日の夜からネットにつながらないんです」

担当者「実は、昨日の夜からネットにつながらないというお問い合わせが、たくさん来ているんですよ」

 

管理会社担当者の話によると、うちのマンションに限らず、特定のネットワーク事業者と契約しているマンションで軒並みネットに接続できないという問い合わせが来ているとのこと。管理会社からもネットワーク会社に問い合わせをする予定だが、今のところコールセンターがつながらないとも。

 

これを聞いて、他のマンションでも障害が発生しているとなると、マンション共有部のネットワーク機器が逝ったという可能性は消えたことになる。管理会社の口ぶりだと影響範囲は東京都内だけではなく各地に及んでいるという。

 

となれば、TwitterなどのSNSを見れば似たような状況に陥っている人の書き込みがあるのではないかと思い、検索してみたら情報がザクザクと出てきた。状況だけでなく原因の切り分けをして対応法まで上がっている。これを見ながら、見事に仮復旧に成功したのである。

 

三人寄れば文殊の知恵

Twitterのタイムラインを見て、つながらないという不満を書いている人がほとんどだったが、一部の人は状況を冷静に分析して対応方法まで示していることには感心した。今回の場合だと、

  • 家の中のWiFiの電波は問題なく飛んでいる
  • 外部からの通知は届いている
  • つまりネットワーク自体が遮断された訳ではないから、DNSの問題である

なので、Google 等が提供しているPublic DNS サーバーに一時的に切り替える事でネットの接続は復活すると書いてあった。

 

このPublic DNSの存在自体は自分も知っていたので、ルータの設定画面を出して、こんな感じで書き換えてやったところ、我が家のネットの接続は復活したのである。

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その後、完全復旧したのは10時過ぎだったかと思う。

 

在宅勤務ではこうしたインフラ関連のリスク管理も自分でやらないと行けないということを思い知らされた出来事だった。在宅勤務が広がる中で、こうした費用を誰が負担するのかという仕組みの整備も必要だなと痛感した。