上昇志向皆無のオジさんがベンチャーに転職する話 その2 お誘い

キャリア的上昇志向のないオジさんが、何故かこの年齢で外資ベンチャー企業に転職することになった顛末を書くシリーズの第2弾。今回は、"Exciting news"を受け取って数日後からスタート。

<目次>

みんな無関心

自分の所属部門的には大激震だったとは言え、会社全体としてはそのニュースに関心を持つ人、というよりニュースそのものを知らない人が圧倒的多数だったと思う。自分の場合、現所属部門の仕事以外に、以前所属していた部門の仕事も並行してやっているので、いずれかのタイミングで、こういう話があると言うことは関係各位に伝えなくてはならないなと思っていた。とは言え、自分の進退を決めたわけでもないのに、切り出して良いものかどうかも分からず悶々としていた。

海外ニュースを探してみると、この件については結構センセーショナルに取り上げられており、出資額をみて好意的に取り上げているメディアもあった一方、こんな辛辣なものもあった。

XXXX Retreats From YYYYY, Spins Off IP And Staff To A Partner

要はうちの会社が自分の所属部門の事業から撤退するという点を強調しているものだ。これは正直結構堪えた。世間的には、こういう見方になるよねって。なぜか自腹でやっているオンライン英会話のレッスンの中で、ほぼ初対面の講師にこのことを愚痴ったのを今でも覚えている。

・・・愚痴れるだけの英語力を鍛えてくれた Cambly には感謝しかないw

www.cambly.com

一通のメール

そんな中、一通のメールが届く。社内で長年お世話になっている方からだった。噂を聞きつけて、自分のことを心配しているということ、あとは自分にその気があるなら、以前の所属部署に戻るべく尽力してくれるという内容だった。多少気持ちが落ちていた時期でもあり、このような心温まるお声がけに感謝しかなかったのを覚えている。

戸惑いの中、一条の光のように差した救いの声を聞きながら、一方では冷静な自分もいた。件の "Exciting news" の詳細も分からないまま、社内に残る決断をしてしまうのも何か違うな、と。一方で本当に "Exciting news" がハズレだった場合の非常脱出口は用意しておきたいのも事実。

本来なら、誰かに相談したいところなのだが、あいにくコロナ禍でのリモートワーク中で、気軽に誰かと会って相談することは出来ない状態だった。そんな状態について、これまた週5でやっているオンライン英会話でポロッと話してみたところ、

講師「正直に、迷っているから決められないって言えば良いんじゃない?」

あ、そっか。と我に返った。もらった文面を見返ると、自分にその気があるならと書いてあるわけだし、別に決断を迫られていたわけではなかったのだ。仮に、迷ってますと言って先方の手のひら返しにあったら、その時は縁が無かったんだと思えばいいやと思いなおし、できるだけ丁寧に迷っている旨を伝えてみることに。

また状況が見えてきたら

再び返事をいただいたのはさらに数日後のこと。文面には、迷っているなら、まずはカジュアルに会話しましょうと、さらに比較できるように仮に以前の所属部署に戻った場合の仕事内容や自分への期待値を紹介して貰えるようにアレンジをしてくれるというような事が書かれていた。何ともありがたいことである。お言葉に甘えて1週間ほど後に時間を設けていただくことにした。

かれこれ1時間あまりざっくばらんに話させていただいた。コロナ禍での近況報告から始まり、ニュースは出たものの何も決まっていない見切り発車であるという現状だったり、出戻った場合の自分への期待値を聞いて有意義な時間を過ごすことが出来た。細かい話は書けないし、出戻ることが決してバラ色ではないなという感想は正直持ったが、逆に率直に話していただいたのがありがたかった。何はともあれ、もう少し状況が見えてきたら、また連絡取り合いましょうということでお開きとなった。

またさらに別の方からも、古巣に戻る気はないかとお声がけをいただき、自分の中での思考の整理というか、もう少しはっきり言ってしまうと、仮にハズレだった場合でも、自分には戻る場所があるという事がはっきりと分かったことで、その後しばらくの間、自分にとっての精神安定剤的な役割を果たしてくれることとなったのである。

ところで、新しい会社の詳細情報が全然入ってこない、という所の話はまた次回に。

(つづく)