上昇指向皆無のオジさんがベンチャーに転職する話 その6 条件提示

キャリア的上昇志向のないオジさんが、何故かこの年齢で外資ベンチャー企業に転職することになった顛末を書くシリーズの第6弾。いよいよオファーレターが届いたという話。

<目次>

現行+α保証の前に

最初の Exciting news を聞いて以降、断片的かつ抽象的な情報しか流れてこない中、少なくとも待遇面では現行プラスアルファは約束するという話は出ていた。自分の中でも例えば年収が10%増えるとかなら諸手を挙げてジャンプしようと思っていたのは確か。といっても、転職する全社員に一律プラス10%出すほど会社はアホじゃないことぐらい分かっているつもりだ。

それ以外にも、退職金も満額出るというのも魅力的に映った。弊社は退職金がいくら出るというシュミレータが公開されており、そこに必要な情報を入力すると金額が一円単位で表示される。

う〜ん。悪くない。

思わずにやけた。日本企業に比べれば、退職金は微々たるもの。さらに言えば、もちろん定年まで勤め上げれば、さらに倍ぐらい貰えるんだろうけど、目の前にぶら下げられたニンジンとしては十分な金額だ。

しぼむ希望

個人への条件提示は、最初は新会社設立の3ヶ月前と言われていたのだが遅れに遅れていた。その代わりに設立まで2ヶ月を切ろうかというタイミングで、新会社の年俸の計算式というのが公開された。つまり現行の年俸から計算で新会社の年俸が求められるのだ。

余り細かくは書けないが、ベースアップは期待ほどでもなかった一方、一部の福利厚生が削られた分が金額上積みされたので、これまで自社の福利厚生制度は余り使っていなかった人には恩恵が受けられるというような感じだった。その分を含めて何とか「現行+α保証」というのは、辛うじて守られたというところか。

・・・微妙だ。

とは言え、会社としては、候補者に魅力的と思わせるギリギリのラインを狙わないと行けないので、ま、こんなもんかな、と自分を納得させた。

オファーレターは答え合わせの場に

さらに半月ほど経過して、最終的に新会社設立まで1.5ヶ月という頃に、やっとオファーレターが手元に届いた。その直前にも変な噂が流れて、早めに新会社に行くとコミットした人はさらに上積みがあるとか無いとか、一部の人には密約があって良いポジションが保証されているとか、、、もう振り回されるのには懲り懲りしていた。

オファーレターが届いたのは週末だった。そのメールの添付ファイルを開きながら、自分としては達観していたというか、とりあえず事前に公開されていた公式通りなのか、そこからそこに上積みがあるのかという「答え合わせ」の場でしかなかった。

電卓(スマホの計算機アプリ)を片手に計算をしてみる。。。1回、2回、念のため2回検算したが、公式通りで上積みなしの金額通りだった。計算が間違っていなくホッとしたというか、がっかりしたというか、年俸の金額が決め手にはならないなと思った瞬間だった。

ひとまず2週間の間に結論を出さなくてはならない。最後の葛藤の話は、また次回に。

(つづく)