オンプレおじさんクラウドへ - AWS Cloud Practitioner認定受験記(後編)

意気込んでAWSの認定試験を受けようと思ったらシステムトラブルで受けられなかった件の続編でございます。
deutschina.hatenablog.com

<目次>

同じ轍は踏まぬはずが。。。

ということで試験が受けられないのはあまりに切ないので、前回のゴタゴタを受けて、こちらも対策を立てることに。具体的には、、、

  1. 使用する端末をM1 MBPに変更
  2. システムテストを実施して問題ないことを確認
  3. 試験を受ける場所を書斎からダイニングに変更

比較的新しくて、他のアプリとのコンフリクトを起こしにくそうなM1 MBPを使うことに。もちろんシステムテストを実行してスムーズに動くことを確認済み。試験を受ける場所も、モノが雑然と並んでいる書斎から比較的片付いたダイニングに移動。さらにいうと、嫁に相談して試験の間外に買い物にでも行ってもらうという念の入れようw。

ちなみに、文字が大きい方が良いかなと思って、M1 MBPをクラムシェルモードにして、外付けディスプレイ、キーボード、トラックパッドという構成。試験時にはマルチディスプレイの使用が禁止(試験用のソフトウェアが立ち上がらなくなる)になっているから。これだけ準備をして試験に臨めば問題ないはず。。。

ところが、試験当日、無事にチェックインを済ませて、例によって順番待ちが終わって呼び出されたところに思わぬトラブルが。

試験監督「Can you hear me?」
自分「Yes, I can hear you.」
試験監督「...」

明らかに声が聞こえていない様子。その後、チャットが送られてきて、

試験監督「Please set up your mic」

とのこと。直前にもシステムテストをやったのに、なぜかマイクの設定がMBP本体のマイクに切り替わっていることのが原因。クラムシェルモードで外付けディスプレイに接続して表示していたので、MBP本体のマイクが認識されず。直前にもシステムテストやったのに、設定が引き継がれないことにビックリしつつ、なんとか試験監督チェック再開。

ちなみにテーブルは白無地、筆記用具やノートはリビングのテーブル上に移動、ヘッドセットや腕時計はPC台の下に隠して見えないようにしていたので、試験監督チェックの内容としては、

  1. Webカムでモニターを映して欲しい
  2. あとはテーブルの上を細かく映して欲しい

という2点だけ。ちなみにテーブルの隅に小さな観葉植物が置いてあったものの、そこはお咎めなし。1点突っ込まれたのは、テーブルの上にラップトップが置いてあることについて。でも、モニタにはこのラップトップから表示していると説明したら、あっさりとOKと言われて、こちらも問題なし。

こんな感じで、開始予定よりも10分近く早く?試験本番が開始された。

見直しせずに駆け抜けた

やはり普段とは勝手が違うシステムでの受験だったので、変にナーバスになっていた部分はあったかも。最初の第1問でいきなり聞いたことない(忘れただけ?)サービスについての設問があったけど、大半は上の問題集で見たことのあるものに似通った内容であり、全く見当もつかない問題は5問あったかどうかぐらいのレベル。

確か合格点は70%なので、多分大丈夫じゃないかと変な自信があり、結局最終的に見直しせずに試験終了。残り時間が43分くらいだったので、1時間弱ぐらいで駆け抜けた計算。最後にアンケートに答え終わると、最終画面で

PASS

という表示を確認。ひとまず合格できて何より。詳細な結果は5営業日以内で送られてくるとのこと。

結果を確認

待つこと数日、ようやく詳細レポートが確認できた。


スコアはもうちょっと取りたかったなぁと思いつつ合格は合格。煽りっぽく書くと、知識ゼロから2週間足らずで合格ということで結果オーライという感じでしょうか。

オンプレおじさん、クラウドへ - AWS Cloud Practitioner 認定受験記(前編)

タイトルの通り、二十数年オンプレにどっぷり浸かっていたおじさんが、クラウドに一歩踏み出したという話です。ちなみに、試験を受けるための詳細な手続きなどは書いていませんので悪しからず。

<目次>

きっかけは

もともとAWSの勉強をしようと思っていた訳ではなく、Coursera Plus会員(定額でコース受け放題のやつ)だったので、次に何を学ぼうかと探しているときにAWS関連のコースが目に止まったのがはじまり。これまでクラウドに全くノータッチだった訳ではないけど、分かったようなフリをして利用していたので、基礎を学んでおくべきじゃないかとは漠然と思っていたのは確か。そんな中、AWS上で動く環境でちょっとしたトラブルがあって、これは今のうちに学んでおかないと、後で大変になると思って、入門編と思われる AWS Certified Cloud Practitioner Elementsというコースを受講することに。

最初は順調そのもの。


こんなつぶやきを残している。詳しく書くと怒られるかもしれないけど、コーヒーショップを例えにした説明が結構分かりやすくて、するすると内容が頭に入ってくる感覚が楽しかった。7週間のコースだったけど1週間かからずに完走。

え?試験は別にあるの?

Courseraのコースの最後にFinal Assessmentを受けて、安定の合格ラインギリギリの80%で修了。コレを受ける前に薄々気がついていたけど、このコースを修了しても本物の認定が貰える訳ではない。

とは言え、少し練習すれば合格できるだろうと思い、この日から1週間後に認定試験を受けるべく予約を入れた。まずは腕試しをしようと思って、サンプルの問題10問を解いてみたが、これではさすがに物足りない。他の方の合格体験記などを探してみると、問題集を1冊やったというようなものがチラチラ見えたので、こちらのKindle本を購入。

これ習ってないんですけど

この本には試験6回分の問題が収録されており、評価もそこそこ良かったので、とりあえずコレを一通り解いてみることに。何周もして暗記するのが良いのだろうけど、試験は1週間後。とにかく前へ進む。

ところが、結構苦戦する。Courseraで習ったでかなりの範囲がカバーされているのだが、中には見たこともないサービスについて問われていたり、これ習ってないんですけどという感じで、正解率は6割程度。あと1割の上積みをしないと合格できない。。。ということで、ようやく本気モードに入り、間違えた問題をGoodnotesの暗記カード機能に片っ端から貼り付けて、それを再び解くこと2周。既出の問題なので、ほぼ100%回答できるようにはなったが、セキュリティ系のサービスのあたりなど、記憶があやふやな部分も目立つ。

試験前日まで来ても、この状態なので楽観は出来ないと思いはじめた。試験料が12000円ぐらいするので、あまり何回も受けたくない。出来れば一発で決めたい。。。受験言語は英語を選択。日本語受験も可能だけど、自分の場合は、CourseraのAWS Cloud Practitioner Elementsという英語のコース、あとは練習問題用に購入したKindle本も英語版だったので、今さら日本語の試験にして変に混乱するのが怖かった。

というのも、かなり昔にSAPの認定試験を受けたとき、日本語が意味不明すぎて逆に混乱したことがあったのがトラウマ?になっているので、この手の試験は英語で受けるのが習慣化しているのだ。SAPとAWSだと受験対象者の裾野の広さも違うので、きっと日本語版でも豊富な練習問題集もあるはずなので、自分がやりやすい言語を選択すれば良いだけの話だと思う。

ひとまず申し込みを済ませたところ、試験当日までにシステムテストをやっておいてくれという通知が届いた。他人が邪魔しない環境ということで書斎のMac miniで受験することとして、試しにシステムテストを行ってみるのだが、やけに時間がかかる。試験中にWebブラウザなどを使えなくする専用のソフトウェアの立ち上げに恐ろしいほど時間がかかったのだ。とは言え、動くには動いたので薦められた試験開始30分前よりも早く入れば良いやぐらいの考えでいたのだが、後で痛い目に遭うことに。

試験当日の落とし穴

試験開始40分前。早速ログインしてテストの手続きを始める。最初に、自分の写真、パスポートの写真、試験を受けるデスク周りの四方の写真などをアップロードすると順番待ちのステータスに。しばらくして自分の番が回ってくると、テーブルの上をWebカムで見せろという。実は自分のデスクの上には透明のシートがあって、机のとの間に地図やら写真やらが挟んであるのだが、あらぬ疑いをかけられてはいけないということで、A3のコピー用紙を間に挟んで机の上が白い状態になるようにしたのだが、そこにいちゃもんを付けられる。

(ちなみにやりとりは全て英語)
試験監督「机の上に紙を置いておくことは禁止されています」
自分「じゃ、こんな地図とか写真が見えても良いのですか?」
試験監督「それもダメです」
自分「こんなの全部撤去したら時間かかりすぎるから無理です」
試験監督「では、代わりにテーブルクロスを敷くのはどうですか?」

テーブルクロスって・・・んなもんあるかい。と思ってふと周りを見渡すと、なぜかクリスマス柄の壁紙が本棚の所においてあるのを発見。

自分「これを敷けば良いですか?」
試験監督「はい」

・・・って、壁紙も紙だろうがwと思ったが、とりあえず前に進むことに。ようやく試験開始のためのシステムが立ち上がったのだが、例の専用のソフトウェアがフリーズして先に進めない。接続テストをしたときよりもさらに多くの時間がかかってしまい、試験監督も匙を投げたようで、

試験監督「これは時間がかかりすぎなので、テクニカルサポートに連絡します。そのまま待っていてください」

間髪入れずに、テクニカルサポートの人から電話がかかってくる。一緒に再起動してみたり、いろいろ試したのだが現象は解決せず。

テクニカルサポート氏「これは今日の受験は難しいと思います。一回返金するので、テストのスケジュールを入れ直してください」

これだけ用意周到に準備したつもりが、なんと試験受けられず。仕方ないので、翌々日の同じ時間に予約を入れ直すことに。5営業日以内に返金されるというのを待とうかと思ったけど、その間に忘れるのが逆に怖かったもんで。。。

<後半へ続く>

退職後のストックオプション株の移管

前の会社でやっていたシェアマッチングプランと言われる自社株買い。タイトルは分かりやすくストックオプションと書いたけど、厳密には少し違っていて、給料の数パーセント(上限あり)と会社補助をプラスした金額分の自社株を毎月購入するという仕組み。理論上は会社の補助分だけ割引を受けるのと同じであり、よほど株価が下落しない限りは損しないので、自分の場合は、制度が始まったときから上限ギリギリの金額を積立していた。

今回、退職するにあたり、3ヶ月の猶予期間の間に自分の証券口座へ株式を移管するか、市場価格で売却せよという二つのオプションが提示されたんだけど、最近の株価は、昨年つけたの最高値と比べるとやや低迷気味。

・・・コロナにお構いなく株価爆上げのGAFAMが羨ましい。。。

ということで、自分の証券口座に株式を移管することにしたというお話。外資系勤務の人には、多少役に立つかも!?

<目次>

欧州株はマイナー扱い

まず、そもそも日本の証券会社で欧州株(ドイツ株)を扱っている会社が少ない。我々が使うような手数料安めのネット証券だと、米国株と中国株は扱うけどドイツ株はね、、、という会社が多いみたい。自分が持っていた2社(マネックス証券楽天証券)とも受け入れNGだった。一方で実店舗を構えているようなフルサービス型の証券会社だと受け入れてくれるという噂を聞いたので、自分の給与口座のある銀行と提携のある某証券会社に問い合わせてみた。

結論から言うと、受け入れはOK。ただしネット口座の場合は売却のみで買い増しは不可となるので、買い増しもするなら実店舗型の口座を開くべしとのこと。これまでは割引があったから購入していたわけで、市場価格で買うことはないだろうと判断したので、とりあえず良いかなと。実店舗型の口座は店舗に赴く必要がありそうだし、とりあえずネット口座を開くことを即決。ただし、ネット口座だけど取引(売却)するときはコールセンターに電話してねというお話を「先ほどお伝え忘れていたのですが。。。」と後からかかってきた電話で聞いたのは何とも香ばしい展開。

オンライン vs 紙の郵送

さっそく口座開設の手続きをネットで送り、無事に口座が開設できたことで移管先は確保。ということで、まずは自社株を管理していたドイツの銀行からの移管手続きを行うことに。ドイツの銀行はネットでサービスを展開しており、手続きとしては送り先となる証券口座を登録して、移管指示を出すだけ。と言っても、いくつか日本側の証券会社で確認しないと分からない項目があったため、日本の証券会社に電話でたずねることに。移管決済の時に使う日本側の担当者のメールアドレスとか、決済に使う取引コード?、金融機関のSWIFTコードなどが必要と言うことでメールで送ってもらうことに。

ところが、手はずを決めたところで日本側の証券会社から衝撃のひとことが。

「印鑑を登録する必要があるのと、今回の移管指示の内容の申込書を記入して送付して頂く必要があります」

・・・な、なんと。面倒くさいなぁと思いつつ、乗りかかった船なので、申込書等の書類を送ってもらい、届いたその日のうちに記入して投函という早業を駆使しつつ、ドイツ側の手続きはネットでサクサクと済ませた。後は待つだけと。。。

シベリア鉄道で陸送ですか?

他の方の経験談を聞いていると、だいたい5日後ぐらいに連絡が来て手続きが終わったなんて話を聞いていたので、自分の場合もそのぐらいで届くものかと思っていたものの、待てど暮らせど移管が終わったという連絡は来ず。かれこれ2週間ほど経った頃か、日本の証券会社から「まだ、先方のドイツの銀行から連絡ないんですけど、何か状況をご存じですか?」と聞かれる始末。ドイツ側のサイトを改めて見返してみると、移管完了まで5〜20営業日と書いてあるものの、手続きをした日に「資金送金中」というスタータスに変わってから全く変化なし。ネット銀行だと個別の担当者が誰だか分からず、こういうときはちょっと不便に感じるなと思ってしまった。ただ、FAQなどを見ると資金送金中のものが、送金できなった場合にはステータスが返却済みだかに変わるので、それまで待つしかない模様、、、ということで、ひたすら待つのみ。

自分なりに数えて20営業日目、やはりステータスが変わらなかったので、週明けに問い合わせすることにしたんだけど、なんとその週明けの日に日本側の証券口座の残高がしれっと更新されているのを発見。実に1ヶ月強、21営業日目にようやく到着したのでした。ホントにハンドキャリーでシベリア鉄道で運んだって、もう少し早く着くと思うんだけどね。おそらくだけど、日本の証券会社側に聞いた情報がどこか間違っていたのかなと想像。とは言え、無事に株の移管が終わったので、良しとしましょう。。。

気になる今後

移管直後は株価が非常に下がったものの、幾分持ち直してきた今日この頃。せっかくシベリアをヒッチハイクで運んできた株をすぐに売ってしまうのもアレなので、しばらく株価の推移を見つつ、少しずつ売却していくことになるのかなと思ってます。ただ、日本に移管したときの税務手続きがどうなるのかがちょっと謎。というのも、日本の証券口座に書いてある取得単価は、日本に移管された前日の終値っぽく、実際の取得原価と違うように見えるんだよね。確定申告の時どう書けばいいのかが気になるけど、売ったときに考えることにしよう。

ということで、外資系の持ち株制度もアメリカ以外の国だと結構面倒なのでは?という話でした。

上昇志向のないオジさんがベンチャーに転職する話 その7 決断

キャリア的上昇志向のないオジさんが、何故かこの年齢で外資ベンチャー企業に転職することになった顛末を書くシリーズの第7弾。ついに決断を迎えるという話。

<目次>

期限は2週間

オファーレターが添付されたメールの中には、15日後の日付が示されており、その日付までに承諾せよと書いてある。レターには記載がないが、オファーを受諾しない場合は、現在の会社に残留していわゆる社内転職活動をしなさいという事を意味することは明らかだ。オファーレターによって、自分の年俸がいくらになるかという点はハッキリした一方で、細かい諸条件が曖昧なままだった。

質問がある場合はメールで問い合わせてねと書いてあったので、無邪気に質問事項を書いて送ってみたのだが、オファーレターは世界各地でほぼ同時に数百人単位で送られているわけで、先方の対応は完全に後手後手に回っていた。とは言え、こちらが聞きたい内容の確認が取れないまま受諾のサインは出来ないので、待つしか無かった。

外部の意見は分かれる

オファーレター受託のタイミングに前後して、何人かの気心が知れた元同僚と会話をする機会に恵まれた。入社以来の長い付き合いがある同僚からは、自分の判断を尊重するという前置きの後に、今の会社にいることのメリットを強調された。この言葉は重い。何故って、自分がこの会社で働き続けきた理由をそのまま代弁してくれているからだ。

一方、別の元同僚からは少し違う意見も出てきた。条件が良くなるなら一旦外に出るのが良いのではないかと。他の人を見ている限り、他社でスキルを付けてこの会社に戻ってくる人も多い。うちの会社は出戻りに寛容なんだから、違う世界を見るのも悪くないと。この言葉も自分に刺さった。自分の本音を言い当てられたように感じたのだ。

家族の反応

うちの妻にも相談してみた。

妻「給料の良い方を選びなさい」

相談する相手を間違えたようだ(笑)というのは冗談だが、どんな決断をしてもサポートするから好きなようにしなさいというメッセージだと受け取った。

両親に相談するかは少しだけ迷ったが、公務員ひとすじだった父から出る言葉はなんとなく想像できたのと、余計な心配をかけさせたくないので、決断してから知らせることにした。

やらずに後悔するよりやって後悔した方が良い

回答期限日が近づいてきた。オファーレターに関する質問も、何とか期限日前にもらうことが出来た。貴重なアドバイスももらった。あとは自分で決断するだけだ。と格好付けたことを書いているが、自分の中ではだいぶ前から結論が出ていたような気がする。

今の会社に残って、何となく仕事を続けることもできるが、これでは変化というか成長もない。新しい会社に行って、無から何かを作り出すことが出来れば、その経験が今後に生かせるのではないかと考えるようになっていた。

過去の記事でメンタルをやられかかった事を知っている方からすると、現実逃避なのでは?というツッコミも聞こえて来そうだが、何かしら環境を変えたいという意味では現実逃避なのかもしれないので、それは否定しない。

「自分の心の中では結論が出ていたのに、あと背中にもう一押し欲しかっただけなんだな」と、過去数ヶ月の感情を整理できたとある金曜の夕方、心は決まった(というか整った)のを感じ、オファーの承諾のサインを行った。オンラインでサインを行った数秒後、新しい会社からのWelcomeメールが届いた。

この自動送信のメールを受け取って、一瞬だけ何かやらかしたかもという気になったが、もう後ろは向けない。新しい環境で頑張っていくしかないんだなと腹をくくったのだ。

<つづく>

上昇指向皆無のオジさんがベンチャーに転職する話 その6 条件提示

キャリア的上昇志向のないオジさんが、何故かこの年齢で外資ベンチャー企業に転職することになった顛末を書くシリーズの第6弾。いよいよオファーレターが届いたという話。

<目次>

現行+α保証の前に

最初の Exciting news を聞いて以降、断片的かつ抽象的な情報しか流れてこない中、少なくとも待遇面では現行プラスアルファは約束するという話は出ていた。自分の中でも例えば年収が10%増えるとかなら諸手を挙げてジャンプしようと思っていたのは確か。といっても、転職する全社員に一律プラス10%出すほど会社はアホじゃないことぐらい分かっているつもりだ。

それ以外にも、退職金も満額出るというのも魅力的に映った。弊社は退職金がいくら出るというシュミレータが公開されており、そこに必要な情報を入力すると金額が一円単位で表示される。

う〜ん。悪くない。

思わずにやけた。日本企業に比べれば、退職金は微々たるもの。さらに言えば、もちろん定年まで勤め上げれば、さらに倍ぐらい貰えるんだろうけど、目の前にぶら下げられたニンジンとしては十分な金額だ。

しぼむ希望

個人への条件提示は、最初は新会社設立の3ヶ月前と言われていたのだが遅れに遅れていた。その代わりに設立まで2ヶ月を切ろうかというタイミングで、新会社の年俸の計算式というのが公開された。つまり現行の年俸から計算で新会社の年俸が求められるのだ。

余り細かくは書けないが、ベースアップは期待ほどでもなかった一方、一部の福利厚生が削られた分が金額上積みされたので、これまで自社の福利厚生制度は余り使っていなかった人には恩恵が受けられるというような感じだった。その分を含めて何とか「現行+α保証」というのは、辛うじて守られたというところか。

・・・微妙だ。

とは言え、会社としては、候補者に魅力的と思わせるギリギリのラインを狙わないと行けないので、ま、こんなもんかな、と自分を納得させた。

オファーレターは答え合わせの場に

さらに半月ほど経過して、最終的に新会社設立まで1.5ヶ月という頃に、やっとオファーレターが手元に届いた。その直前にも変な噂が流れて、早めに新会社に行くとコミットした人はさらに上積みがあるとか無いとか、一部の人には密約があって良いポジションが保証されているとか、、、もう振り回されるのには懲り懲りしていた。

オファーレターが届いたのは週末だった。そのメールの添付ファイルを開きながら、自分としては達観していたというか、とりあえず事前に公開されていた公式通りなのか、そこからそこに上積みがあるのかという「答え合わせ」の場でしかなかった。

電卓(スマホの計算機アプリ)を片手に計算をしてみる。。。1回、2回、念のため2回検算したが、公式通りで上積みなしの金額通りだった。計算が間違っていなくホッとしたというか、がっかりしたというか、年俸の金額が決め手にはならないなと思った瞬間だった。

ひとまず2週間の間に結論を出さなくてはならない。最後の葛藤の話は、また次回に。

(つづく)